
夏の風物詩のひとつである蛍。暗闇に浮遊する光は私たちを夢幻の世界に誘ってくれます。実はあの光、オスとメスが出会うための信号で、浮遊して光っているのはオスで、じっとして光っているのがメスです。幼虫からさなぎにかけての長い下積み生活(?)を経て最後に光を放ち、オスとメスが結ばれるなんて、実に良く出来たプログラムですね。

ゲンジボタルの光は西日本と東日本では、明滅の間隔が違います。西日本ではおよそ2秒に1回、東日本ではおよそ4秒に1回光ります。又西日本の方が明滅の集団同期の度合いが強いそうです。何が原因で違っているのでしょうか、興味深いです。東日本で生まれた個体を西日本に持ってきたらどうなるのでしょう。試してみたいものです。

(写真はホタルの幼虫とエサのカワニナ)
有馬では例年5月末頃から6月中旬ごろまでゲンジボタルを見ることが出来ます。なにぶん山間の急流なので、何万匹が乱れ飛ぶような所謂「蛍の名所」というわけには行きませんし、数も年によって多めだったり少なめだったりしますが、程よい数の蛍の光が、かえって有難味があり、趣き深いとも感じます。

蛍の出る場所は、鼓ケ滝のある滝川の鼓橋の辺りや、有馬川の太閤橋から下流の山口町に至る流域全体ですが、観光のお客様が夕涼みがてら軽く散策されるのでしたら、春の桜の名所でもある太閤橋から公園橋の間の通称「桜の小径」を歩かれるのが良いでしょう。川沿いにネットが張ってあるので安全ですし、歩く距離としても適当かと思います。 丁度、当店、吉高屋の裏手になりますので、是非散策にお越し下さい。5月末頃から6月中旬ごろの時期に有馬にお泊りでしたら、蛍を見逃すのはもったいないです!

当店の川沿いのテラス席からも見えますので、おいしいドリップコーヒーでも味わいながら、実際何秒に1回光るのか観察(笑)して見ませんか。
但し蛍は眺めて楽しんでください。昨年も、虫籠にたくさん採って持ち帰ろうとしている親子連れの方や、「孫に見せたい」と言って、採った蛍をいれるナイロン袋を分けて欲しいといって来られたおばあちゃん等がおられ、ちょっぴり複雑な気持ちになったものです。都会では見れませんから気持ちは良く分かるのですが、有馬川のゲンジボタルは数も少なく、自然保護の観点からも決して子供さんのお手本とは言えませんし、蛍にも蛍の予定がありますので…。

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